複雑な業務フローをどうやって周りの人にわかりやすく伝えて、「できる人」を増やしていくか。研修業務の効率化は、多くの企業が抱える課題です。
マーケティング事業部のインサイドセールス担当である山洞隆弥(さんどうたかや)さんは、インターゾーンの主力事業「gNOTE」(ジーノート)の研修システムを確立するため、今年5月に同事業部に異動となりました。山洞さんが行う「教え方改革」とはどんなものだったのでしょうか。お話を聞きました!
「人が足りない!」を解決するための“教え方改革”プロジェクト
ーまずは山洞さんの担当業務について教えてください。
大きく分けて2つです。1つは「インサイドセールス」というチームの関西・中国・四国エリアを担当しており、現在取引のあるお客様へのフォローアップやご提案を行っています。
もう1つは、クラウドシステムの「gNOTE」(ジーノート)というサービスの新規受注から納品までの進捗管理を担当しています。
―「gNOTE」とは?
ざっくり言うと、車検の入庫台数をアップさせるためにコンタクトをとった顧客の状態と次回アクションを管理するためのシステムです。車検が終わってから次の車検までの2年のあいだ、定期的にお客様とコンタクトをとって次回の入庫へつなげていくという仕組みです。
―なるほど。そのgNOTEの新規導入の流れを山洞さんが取りまとめているのですか。
サービスを導入するクライアント様の要望を受けて、BPO事業部など社内の関連部署と連携しながら、スケジュールをはじめとした進捗管理を行っています。監督者のような感じですね。
gNOTEができたのは2011年、当時は「受注管理システム」という名前でした。名前を変えてリリースしたのは2015年なので、gNOTEとして動き始めてからは3年が経つサービスになります。これまで200社を超えるクライアント様に導入いただき、インターゾーンの主力事業として現在注力しているところです。
―課題としては何がありますか。
管理側の人材育成です。gNOTEは複雑な作りをしており、クライアント様ごとに細かいカスタマイズが可能です。つまり導入時には細心の注意が必要で、全体のプロセスを把握する人間がきちんと管理を行わなければいけません。
私はgNOTEの立ち上げ時から約3年、新規案件の進捗管理を担当してきました。実はこの業務を担えるのは私を含めて3人しかいなかったのです。急速に受注件数が伸びている中で、このままではいずれ対応が追いつかなくなるのは明らかでした。
―3人ですか…、たしかに人手が足りなそうです。
他の2名はアルバイトスタッフなので、実質的に責任をとれるのは私一人だけです。新しく生まれたサービスというのは、どうしても「この仕事ができるのはこの人だけ」というような状況――つまり「属人的」になってしまいがちなんですよ。事業規模を拡大するにあたり、これはボトルネックです。業務を標準化して、きちんと仕組みづくりをしましょうということで、今年の9月から本格的に動き始めました。
新しい研修のカギは「動画」にあり?
―そこで人材育成に本腰を入れることになったのですね。
現在私が所属しているインサイドセールスのチームには9名のメンバーがいます。第二四半期が終わる2月までに、彼ら全員を私と同じように動けるようにするのが目下の目標です。
ただ、gNOTEの進捗管理業務に関しては、これまで「人に教える」ということをしてこなかったんですね。なぜなら業務フローが非常に複雑だからです。工程数は67あり、かつ他部署との密な連携作業が絡んでくる。これを単純にすべてマニュアルに落とし込んで口頭で教えていくとなると、大変な手間と時間がかかります。工夫が必要でした。
―工夫とは?
まず行ったのは「業務フローの整理」です。チームのメンバー3名を呼んで、研修システム構築のためのチームを結成しました。今まで私一人の経験で進めていた作業を一つひとつ分解して、カテゴリーごとにリスト化。そのうえで「映像化」すべきプロセスと「マニュアル化」すべきプロセスを判断して、映像ベースとテキストベースのマニュアルの2種類を並行して準備していきました。
―映像というと、どういった感じの?
基本的には、作業の実演を行いながら口頭で説明していきます。パソコンの画面を見せながら「こんな風にやるんですよ」というように。現在までに39本の動画を作成しました。簡易的な作業は動画のみで、必要に応じてテキストベースのマニュアルを用意しています。すべてクラウド上にアップしているので、受講者は時間の空いた時にいつでも見ることができます。
また、受講者一人ずつにOJT担当者をつけて研修スケジュールを管理します。進捗状況はその都度クラウド上のリストに更新して、誰がどこまで進んだのかがひと目で把握できます。マニュアル研修でベース知識をつけた後、担当者によるOJTでフォローアップを図り、一人前になるまで研修していくという仕組みです。
―現在の成果としてはいかがですか。
予想以上にうまく回っていますね。このシステムで走り始めてから約1カ月経った現時点で、すでに達成率が60%を超えた社員もいます。基礎的な内容を理解してからOJTに臨むので、効率よく研修を進めることができるのだと思っています。
人の心を動かす「伝わる教え方」の極意
―山洞さんの「効率よく教える」という発想はどこから来たのでしょうか。
もともと私はBPO事業部にいて、新人に業務を教える機会がとても多かったのです。しかし、私自身の作業を中断して研修を行っていたので、その時の状況によって伝えそびれたことがあったり、伝えたつもりでも伝わっていないことがあったり。結果としてお互いの時間が無駄になったことも数多くありました。
「教える」という行為が属人化してしまっていたために、業務にバラツキが生まれていたんですね。これを標準化・システム化することで研修業務の無駄がなくなれば、教える側にとっても教わる側にとってもベストな環境がつくれると感じました。
―動画を作るというのは時間のかかる作業ですが、あえて映像化しようと思われたのはなぜですか。
結局、文字のマニュアルだけだと伝わらないんです。取扱説明書のようにただ業務の手順を書いて並べただけでは、「なぜこの作業が必要なのか」「その作業の重要性」といった業務の核になるところをわかってもらえない。
人に何かを教える上で私が意識しているのは、「最初にGOALイメージを持ってもらう」ということです。この業務を行うことで、結果としてどうなるのかを一番最初に伝えます。すると教わる方は話が入りやすいんですよ。受講者に主体性を持って研修に取り組んでもらうためには、まず結果を見せて、そこに向けて一緒にがんばっていきましょうという姿勢をつくることが肝心です。動画はそのためのツールですね。
「教え方改革」で新しい学びを発見しましょう!
社員一人ひとりに合わせた細やかな研修の場を提供するインターゾーンでは、未経験から入った多くのスタッフも第一線で活躍しています。現在、複数の職種にて共に働く仲間を募集中! 少しでも興味を持ってくださった方、まずは一度気軽にお話ししましょう!
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